今回は、従業員の働き方に関わる労働関連法規と、就業規則で定めるセキュリティルールを学びます。私的利用や監視をめぐる論点は実務でも頻出です。
会社のパソコンでこっそり私用のメールしたら、見られちゃうのかな?
そこが今日のテーマよ。
会社は情報漏えい防止などのために、業務用の端末やメール、Webアクセスをモニタリング(監視)することがあるの。
でも従業員のプライバシーもありますよね。
無制限に監視してよいのでしょうか?
いい疑問ね。
監視は無制限には認められないの。
ポイントは、あらかじめ就業規則や規程で監視の目的・範囲を明示し、従業員に周知しておくこと。
目的の正当性と手段の相当性が必要なのよ。
こっそり見るのはダメなんですねぇ。
ちゃんと知らせておくんですかぁ。
そう。
事前に周知していれば、業務用端末の私的利用は監視されうると従業員も認識できる。
逆に、目的を告げずに個人のプライベートを覗くような監視は、プライバシー権の侵害になりうるわ。
そもそも会社のパソコンで私用しちゃダメって決まってることが多いんだよね?
はい。
多くの企業は就業規則で会社資産の私的利用の禁止を定めています。
違反すれば懲戒の対象になり得ますね。
そのとおり。
就業規則は労働条件やルールを定める重要な文書で、常時10人以上を使用する事業場では作成と労働基準監督署への届出が労働基準法で義務づけられているの。
セキュリティのルールも、その就業規則に書いておくんですねぇ。
ええ。
情報の持ち出し禁止、パスワード管理、SNS利用のルールなどを情報セキュリティポリシーとして定め、就業規則や誓約書と結びつけて実効性を持たせるの。
入社時の秘密保持契約(NDA)も典型ね。
テレワークが増えて、自宅からの業務も規程で管理する必要が出てきましたね。
そうね。
私物端末を業務に使うBYODを認めるなら、その利用条件やセキュリティ要件を規程で明確にしておくことが大切よ。
ルールを決めて、みんなに知らせて、守ってもらう。
当たり前だけど大事なんだね!
確認クイズ
従業員の業務用PCやメールに対する会社のモニタリング(監視)について、適切なものはどれか。
- 会社の設備である以上、目的や範囲を従業員に知らせなくても自由に監視してよい。
- 監視の目的・範囲をあらかじめ就業規則等で定めて従業員に周知し、目的の正当性と手段の相当性を確保する必要がある。
- 従業員のプライバシー保護のため、業務用端末であっても会社は一切監視してはならない。
- 監視は情報システム部門の判断のみで実施でき、就業規則への記載は不要である。
こたえを見る
正解: 2. 監視の目的・範囲をあらかじめ就業規則等で定めて従業員に周知し、目的の正当性と手段の相当性を確保する必要がある。
正解は2。従業員のモニタリングは、あらかじめ就業規則や規程で目的と範囲を定めて周知し、目的の正当性と手段の相当性を満たす場合に認められる。1は無制限な監視でプライバシー侵害となり得るため誤り。3は情報漏えい防止など正当な目的があれば適切な範囲で監視は可能なので誤り。4は根拠となるルールの整備・周知が前提となるため誤り。