この記事では、情報セキュリティ事故が企業にもたらす損失を「財産損失・責任損失・機会損失・人的損失」という4つの視点から整理して学びます。
情報が漏れると『損する』のは分かるけど、具体的にどんな損があるの?
損失にはいくつか種類があるの。
よく整理されるのが財産損失・責任損失・機会損失・人的損失の4つよ。
順番に見ていきましょう。
まず財産損失から教えてください。
財産損失は、直接お金や物が失われる損失ね。
復旧費用、システムの再構築費、盗まれた金銭などが該当するわ。
こわれた物を直すお金とかですねぇ。
そう。
次が責任損失。
事故を起こした企業が、被害者や取引先に対して負う損害賠償や、契約違反による賠償責任などよ。
個人情報を漏らすと、被害者へのお詫びや賠償が発生しますね。
そのとおり。
個人情報保護法などに基づく責任も問われるわ。
3つ目が機会損失。
事故で信用が落ちて顧客が離れたり、システム停止で売れるはずの売上を逃したりする損失ね。
サイトが止まってたら買い物できなくて、その分の売上がパーってこと?
まさにそれ。
目に見えにくいけれど、信用失墜による将来の取引減少まで含めると、実は最も大きな損失になることも多いのよ。
のこりの人的損失は…人が関わるやつですかぁ?
人的損失は、事故対応で従業員が疲弊したり、責任を取って退職したり、優秀な人材が流出したりする損失ね。
組織の力そのものが弱まってしまうの。
4つの損失は独立ではなく、連鎖して起こることが多そうですね。
鋭いわ。
1つの事故が賠償を生み、信用を落とし、人が去る…と連鎖する。
だからこそ、事前の対策で事故そのものを防ぐことが最も安上がりなのよ。
損の種類を知ると、守る意味がリアルに分かるね!
そう。
リスクの大きさを損失の観点で見積もれることは、対策の優先順位づけにも直結するのよ。
確認クイズ
情報セキュリティ事故により自社Webサイトが長時間停止し、その間に見込まれた販売の売上を得られなかった。この損失に最も適切に該当するものはどれか。
- 財産損失
- 責任損失
- 機会損失
- 人的損失
こたえを見る
正解: 3. 機会損失
機会損失は、本来得られたはずの利益を逃す損失であり、システム停止による売上機会の逸失や、信用失墜による顧客離れがこれにあたる。財産損失は復旧費用など直接失う財産、責任損失は被害者や取引先への損害賠償責任、人的損失は従業員の退職や人材流出を指すため、いずれも「得られたはずの売上を逃した」という本問には当てはまらない。